作文はある出来事や概念に対して、自分の心情や感想を述べた文章である。「〜だと思う。」「〜して楽しかった。」などの述語が使われる。私たちが何度も書いてきた感想文は作文の一種である。都立高校の推薦入試作文の採点ポイントは文章の展開、感性の豊かさ、表現の妥当性などである。アメリカの学校の(book) reportと言える。
小論文は、身近な社会問題などに、自分の立場を意見として述べ、理由(論拠)を筋道立てて説明し、相手を説得する文章である。出題に対してまず、「私は、〜と考える。」という肯定か否定の意見を述べて立場を示す。このときに肯定の立場を選ぶと書き易い。次に、「なぜなら、〜だからだ。」と理由と説明を加える。説明方法は例示、比較、抽象化、具体化、定義などがあるが、実体験を挙げる例示が最も得点しやすい。理由と説明後、反論もおさえて、結論に向かうと自分の立場を説得力を持って立証できる。都立高校の推薦入試小論文の採点ポイントは批判的思考に加えて、論理性や説得力の高さ、立証の完成度が挙げられる。アメリカの学校のargumentation/persuasionである。両方ともに減点方式なので、原稿用紙の書き方に則り、漢字や送り仮名遣いや表現をミスなく書き上げることが重要である。
読解
自分の立場を論じるために、問題文や資料を客観的に読み取り、出題の意図や資料のバックグラウンドを読み取ろう。
発想
与えられた資料に自分なりの疑問や批判をぶつけて、具体的な例や論じるためのアイデアを思い浮かべよう。
論理的思考
見つけた問題に対する自分の意見を発展させて、その理由を順序立ててわかりやすく説明しよう。
表現
自分の実体験、社会問題への知見、志望する学科への知識を使いつつ、過去に問題対応したときにそこから得た実感を述べ、小論文を説得力あるものへ発展させよう。
①何を書けばいいかを把握する
問われていることに的確に応えるため、解答条件を確認し、出題者の意図をつかむ。
②資料を読み取る
多くの場合、資料として文章が与えられるので、筆者の考えと理由と説明を客観的にとらえる。
③自分の考えを固めて、発展させる
何を書くのか自分の論じる範囲を絞り込み、意見と理由の形でしっかり決定する。
④考えを整理して、論じる流れを決める。
意見と理由と説明の段取りを考えて、スタートからゴールまでをざっとイメージする。
⑤わかりやすく書く
文章を段落ごとにアウトラインして、原稿用紙の使い方に注意してわかりやすく丁寧に書く。
E見直す
どんなにいいアイデアを書いてあるとしても、誤字や脱字、送り仮名の間違い、原稿用紙のマスからはみ出している、字が読みずらいなどの場合は減点対象なので、しっかり見直ししてとどめを刺そう。