はじめに
高校生になると今までの中学英語がいかに楽勝だったのかを実感するのが普通だ。中学英語の定期テストの平均は60〜70点であるのに対し、高校英語のそれはたいていの場合、40〜50点前後になるのが普通だからだ。トップクラスの進学校では平均点が20点台の恐ろしく高難度で、大量問題の定期テストを見かけることがある。部活で忙しい人がすき間で勉強したとしても、やり方が正しくなければ、成果は限定的な場合が多い。その中の何人もがテスト答案の振り返りもせず、消化不良で次の単元・学期に入っていくのはよくあることだ。そんな中でも受験学年でない高校1年生から2年生が評定平均を上げ、指定校推薦を取るために普段からお手伝いしてきたことを以下にまとめた。魔法の勉強法でも秘密の方法でも何でもない。むしろ、少しも面白くないが、生徒さんと一緒に評定を確実に上げてきたので、自身のやり方に加えて参考にしてほしい。
高校英語の普段の勉強のやり方
- 学校の勉強に加えて、やることは三つ:単語・文法・読解。
- まとめノートで教科書本文のどこがポイントなのかをはっきりさせる。新出単語と重要文に色。
- コミュニケーション英語は長文になるので、文の構造や意味が取れないものだけを抜き出して書いたり、コピーをとってノートに貼ったりなどの時短の工夫が必要。英語表現は基本文を書き出してまとめる。
- 単語ドリルは品詞を確認し、意味を意識して集中練習する。暗記ノートで3分3セット。
- 本文を音読する。小学校でたくさん音読して日本語が上手くなった。英語も同じで、インプットばかりでアウトプットしなければ上手くならない。音読は1日1回4日連続が理想的。
- 問題集はやる前に何の文法を理解するのか確認。解説内容を身に付けるには手を動かして問題を解いてすぐに丸付け。ミスした問題を発想や解法とともにノートにまとめると、自分の苦手が見える。
- 1週間の中でどれだけ勉強時間ができるか把握し、計画的に割り当てる。
- 英語力は塾外での学習量で決まる。塾ではポイントを絞ってわかりやすく説明する。その後、自分のペースで自立学習形式で進むが、わからないところは遠慮なく質問する。習ったことを自宅学習で身に付け、自宅学習で出てきた質問は次回の授業で必ず質問することを繰り返す。
高校英語の単語の覚え方【心構え編】
- 魔法のようなお手軽暗記方法はない。
- 単語を覚えることが目的ではない。入試英文を読めて、志望校へ進み、好きな仕事に就くのが目的。
- 覚えるのはそれなりに手間と時間がかかる。テスト前の暗記は早めに始める。
- 忘れることを前提にして、すき間時間を見つけては復習。一週間のすき間を把握して計画的に使う。
- 暗記は時間よりも反復回数。記憶のメンテナンスを欠かさず、テスト直前に完全暗記を目指す。
- 単語量が増えると話せる基礎がつくので、英語が楽しくなるのを実感する。
高校英語の単語の覚え方【実践編】
- ステップ1: 暗記ノートの単語見ながら日本語の意味を頭の中で3回繰り返す。
- ステップ2: 品詞を確認し、意味をイメージしながら単語ドリル。エアスペルも可。
- ステップ3: 単語隠して日本語だけ見て書いてみる。書けなければステップ2に戻る。
- ステップ4: 翌日、復習する。
- ステップ5: 単語の確認テストをする。ステップ3で紙に意味だけ写して用意しておくと便利。
高校英語の単語の覚え方【発展編】
- フォニックス(つづり字と発音の関係)の基本を必要に応じて身に付ける。
- 単語にへんやつくりや語根があるので基本を押さえておけば、後々ぐんと語彙が増えていく。例えばincredibleは接頭辞のprefixはinで、語根のrootはcredで、接尾辞の suffixはibleだ。それぞれ、反対、信用、可能を表し、意味は「信じられない」となる。
- 理想は学校の授業中から暗記する習慣を作る。単語は予習して授業に行くと暗記しやすい。
- ほっとけばどんどん忘れていくので、大して覚えてなくても自信をなくさない。
- 時間がかかることを覚悟して、地道に続けよう。
高校英語の定期テスト対策
- 対策プリントであいまいなところを見つけて暗記。
- 確認テスト・過去問・予想問題で最終確認。
- 定期テスト15日前から始めて、最低2回の土日を確保する。
- 1科目当たり10時間以上を目標。
- クロスアウト計画表でやった場所とやれてない場所をチェック。クロスアウト計画表は勉強量を可視化できる。例えば、範囲を3周したけど平均点取れなかった。じゃあ、次回の定期テストは4周しようと決意できる。勉強量のベンチマークを次に活かすしくみを持つことが高校英語の上達の鍵だ。